人気ブログランキング | 話題のタグを見る

まねきねこのねこじゃらし

慰霊の日

慰霊の日_f0132946_20405753.jpg

先の大戦にて沖縄で地上戦があった事
多くの方が亡くなった事
それはまぎれもない事実です。
私の考える「戦争」の本質は
「戦争」という大義名分の大量殺人だと思います。

昨年、教科書検定問題がクローズアップされ
今まで以上に沖縄においての戦争を認識してもらう機会が増えました。

6月23日の慰霊の日を前にして、県内の新聞は当時の戦争体験者の記事を連載で取り上げています。
悲しくて、苦しくて言葉に出来なかった戦争の事を語り始めるお年寄りが増えたのです。
このことは2007年9月29日の県民大会をきっかけに戦争体験者の方の意識が変化したことの現れのように思えます。

人間は忘れる事で過去の苦しみから逃れようとします。
いままで口を噤んで来た戦争体験者の殆どがそうだったと思います。

でも、事実を伝えるために、勇気をだして語り始めたのです。
そこに綴られる言葉は苦しくて悲惨で悲しい事ばかりでした。
大変な時代を生き抜いてきたこの方々に敬意の念を抱かずにはおられません。


しかし、連日の記事を読んで、疑問に思うことが出てきました。

戦争体験者の方々は自分が語ることで、あのような悲惨な戦争を二度と起こして欲しくないという気持ちで吐露されていると思うのですが、報道の方向性は被害者意識や恨みを増幅させるような表現に傾いていると思うのです。

恨みや憎しみからは新たな戦争を産み出すだけです。


今、私達が必要なのは愛と感謝の気持ちではないでしょうか
小さな地球号の中でどれだけ協力していけるか
未来の子供達に何を託していけるのか



「慰霊の日」6月23日の沖縄全戦没者追悼式で、詩部門(小学校の部)で最優秀賞に選ばれた嘉納英佑(えいすけ)君(10)=読谷小学校4年生=の作品「世界を見つめる目」が平和の詩として朗読されます。
嘉納君は「広い世界の中には貧しいながらも一生懸命に生きている人、争いごとに巻き込まれて悲しい思いをして傷ついている人が、いっぱいいることをテレビや写真集を見て知った。世界で起きている出来事をもっと知りたいと思った。自分の中に、いつでも強さと優しさ、温かさを持っていたいと思い、詩を書いた」とコメントしています。

私は、小さな嘉納君の慈愛に満ちた詩を読んで涙が止まりませんでした。


以下、明日の慰霊の日に朗読される嘉納君の詩です。

<世界を見つめる目(全文)>

やせっぽっちの男の子が
ほほえみながら、ぼくを見つめた
テレビの画面の中で…
ぼくも男の子を見つめた
どんな事があったの?
何があったの?
何も食べる物がないんだ
でも、ぼくは生きたい
くるしいけど、あきらめない
ぼく がんばるよ
えがおが あふれる
生きる人間の力強さを感じた
ぼくは 真実を見つめる目を
持ちたいと思った

悲しそうな目をした女の子が
なみだをうかべながら、ぼくを見つめた
テレビの画面の中で
ぼくもその女の子を見つめた
なぜ、悲しい顔をしているの?
なぜ、ないているの?
せんそうで、家族もいなくなっちゃった
家も 友達も
全部、全部なくなっちゃった
悲しいよ さびしいよ
どうすればいいの 助けて
大切なものをなくした人間の弱さを感じた
ぼくは 涙をふいてあげる
やさしい手を持ちたいと思った

きずだらけの男の人が
苦しそうな顔をして ぼくを見つめた
本の写真の中で…
ぼくも男の人を見つめた
どうしたの?
いたいでしょ 大じょうぶ?
あらそいからは なにも生まれはしない
おたがいにきずつくだけ
にくしみがつのるだけ
人間のおかしたあやまちの大きさを感じた
ぼくは やさしくてあてしてあげる
あたたかい心を持ちたいと思った

ぼくのとなりで
おじいちゃんが
自分の目で見てきたできごとを
ぼくに伝えた
苦しかったせんそうのできごと
おばあちゃんが
自分が体験してきたできごとを
ぼくに伝えた
こわかった そかい先でのできごと
お父さんが
自分が聞いたできごとを
ぼくに伝えた
食べる物がなく 苦しんでいる人がいる事
家がなく つらい思いをしている人がいる事
家族とはなればなれになってしまっている人
ざんこくでひさんなできごと
悲しくなった つらくなった
お母さんが何も言わず
ぼくをだきしめた
むねがいっぱいになった
あたたかいぬくもりが
ずっとずっと ぼくの中にのこった

みんながしあわせになれるように
ぼくは、
世の中をしっかりと見つめ
世の中の声に耳をかたむけたい
そしていつまでも
やさしい手と
あたたかい心を持っていたい。



先の大戦にて亡くなられた
すべての御霊のご冥福を心よりお祈り申し上げます。   合掌
by osamponeko | 2008-06-22 20:52 | 静物